中小企業の現場では、開業率の低下と廃業率の増加という深刻な事態が続いています。総務省の「事業所・企業統計調査」によると1990年代に入るころから事業所の開業率は廃業率を下回っている結果が出ており、企業数ベースで見ても減少傾向が続いています。特に日本は開業率が低い状況でアメリカ・フランス・イギリスの開業率は約10%〜12%なのに対し、日本の開業率は約4%弱となっています。
では、なぜ開業率が低下しているのでしょうか。創業する際の障害として「開業資金調達」「失敗時の生活のリスク」「質の高い人材確保」「販売先の確保」などが挙げられています。また国民生活金融公庫総合研究所の調査によれば、同公庫の融資先で平成13年に開業した2,181社のうち、平成15年までに廃業した企業は147社(8.4%)で廃業企業と存続企業の平均開業費用の差は倍近い差であるという結果が出ています。この調査からもわかるように、創業に際しての準備不足が後の事業の存続に大きな影響を与えるのです。
開業率の低下の結果、生産性の低下につながると考えられます。新規企業の参入により、市場は競争を増します。それに伴い、既存企業は、開発が進み、コストダウンや新たな策略の構築などにより生産性が向上されるでしょう。地域の雇用拡大にもつながります。よって、日本の経済全体が活気づくという効果が期待できます。
国としても、創業を支援しなければ国の市場経済の生産性が低下してしまう訳ですからいくつかの支援策をとっております。
事業開拓や人材確保などを目的とした助成金による支援や公的金融制度を用いた金融面からの支援、また我々の身近なところですとエンジェル税制など税制優遇による支援があります。平成20年度税制改正では、このエンジェル税制の見直しが行われました。見直しの概要は、個人投資家(エンジェル)が「投資額をその年分の譲渡益から控除」する仕組みに加えて、「投資額について寄付金控除(1,000万円が限度)」とする仕組みが設けられ、選択適用できることになるなどの改正があり、投資時のメリットが拡充されました。
日本は、国民性もあるとは思いますが「企業家」が少ない傾向にあります。これから先、日本経済の発展の為にも創業を支援し、開業率をアップさせ、創業企業の存続を期待したいところです。もちろん創業を支援するからには企業の内容や活動チェックも必要でしょう。苦労された今の経営者の中には、優遇されているベンチャー企業をしかめ面で見ている方が多いのも確かですが。
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