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税務・会計・労務・コンピュータに関する月刊トピック
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トヨタ自動車の「下方修正」発表

所長 杉浦 康晴

 原油・穀物・素材の高騰に始まる諸物価の高騰は国民の生活はもとより企業経営をも直撃し非常な困難をもたらしています。トヨタ自動車が世界一位を視野に入れた途端に襲った景気後退のためにアメリカでの販売計画を下方修正せざるを得なくなりました。
 あれだけ全国から言われ続けた「名古屋は元気がいい」という言葉も完全に萎んでしまいました。
 名古屋地区の企業は、直接的な取引のない企業でも自動車関連業界の好調に支えられその恩恵を受けて何とかまあまあの成績を維持してきた面があったのですが、ここへ来て一番頼りにしてきた「トヨタ自動車」が、本年3月期の決算について「9年ぶりの減益」と発表し、「右肩上がりを続けてきた体質を見直す機会」と渡辺社長が述べなければならない状況に至りました。その後間もなく「北米での販売予測を下方修正する」と発表し、アメリカでの状況が相当厳しいらしいということが分ってきました。
 つい最近手にした月刊誌「ザ・ファクタ」が伝えるところによりますと、トヨタ自動車の減益の中心はどうも北米にあるようです。記事のエッセンスを紹介してみます。
 「北米では『必要な時に必要な量だけ必要なものを供給する』をモットーとするトヨタ方式が実践できていない。」「設備投資を抑えながら市場の変化に素早く対応するため、複数の車種を同一ラインで流す『混流生産』やライン構造を短期間で変えてしまう『段取り替え』などはトヨタのお家芸だったはずなのに米国では出来ていない」「『プリウス』も出せばもっと売れる状況にあるのに現地生産への判断が遅れたため商機を逸している」「需要の多い小型車『カローラ』や『ヤリス』がなぜ同じ工場で生産できないのか。つまり大型車の専門工場ばかりに片寄ってしまい、柔軟な生産体制の構築をおろそかにしてしまったのだ」「価格政策でもミスを犯した(強気の姿勢を貫いたことを指す)」
 この記事の筆者は論評部分で「クリントン政権時代から続いたアメリカのバブル経済に浮かれ、トヨタは米国での商品企画と生産体制に俊敏さや柔軟性を失っている」とし、最後の結びで「トヨタにとって最大の試練は、それを乗り切ればトヨタがこれまで以上に強くなる『節』となるかもしれない」と述べており、期待をにじませています。
 トヨタ自動車が直面している問題点はどの企業にもあり他人事ではありません。これからしばらくは「物価高の下での不況」という最悪の経済環境の下で経営をやって行くわけですから、いずれの企業も自身の持つ弱点を明確にしそれをひとつひとつ克服しながら着実にやって行くしかないのです。



 
コーチングが注目される背景

(株)葵経営コンサルタンツ 野崎 敏彦

 1.なぜ、コーチングが必要とされるか
(1) 変化の激しい時代
 高度成長、安定成長といわれた時代には上司の指示・命令やマニュアルどおりに行動していれば、それなりに業績を確保することはできました。企業社会では、「プレーヤーとして有能だった人が管理職となれば、同じやり方を受け継がせるために、的確な指示・命令ができ、部下も同様に成功できる」という考え方が主流でした。
 「今は、何が起こるかわからない時代」ということを実感している人は多いと思います。変化の非常に激しい時代になり、組織は自ら考え、行動できる『自立型・自発型の人財』を育成する必要に迫られています。
(2) 消費者は自立している
 これまでもてはやされていたものが売れなくなっている一方、消費者のニーズを捉えた商品は、「ひとり勝ち」といわれるほど売れています。これは「消費者の自立」傾向が強くなったことが原因といえます。消費者は生産者が売りたいものに「乗せられる」ことをしなくなり、「自分が買いたいものは自分が知っている。自分が決める。」という購買スタイルを確立しています。
 ここでも組織の今までのスタイルでは通用しなくなりました。直接消費者と接していなければ、管理者は「何が売れるか」の「答え」からは遠い存在です。何が売れるかを知っているのは、販売の現場で直接消費者と接している部下です。管理者の役割は「答えを与えること」から「答えを引き出すこと」に移っていかざるをえません。
(3) IQよりもEQが重要
 EQとは、エモーショナル・インテリジェンス(心の知能指数)のことです。IQが知能指数であるのに対し、EQは、喜び・怒り・悲しみを含んだ情緒的・精神的な機能全体を示します。EQのポイントは、「自分の本当の気持ちを自覚して尊重し、決断する能力」、「感情を制御する能力」、「自分自身を励ます能力」、「他人の気持ちを感じとる能力」、「集団の中で調和し、協調し合う社会的能力」です。現在、ビジネスにおいて求められる能力は、IQは20%、EQが80%という比率であるといわれています。
 行き過ぎた成果主義に対しては、疑問の声があがっています。そんな中、EQの高い人材が、コーチングを行うことによって、多くの企業が求める「自立と協調」の組織創り、世代や職種を超えたチームワークという人間関係の構築、あるいは「顧客満足」などに関する成果を期待することができます。

2.コーチングに期待されること、コーチングで得られるもの
(1) 人間の無限の可能性を引き出す
 人の熱意、能力を引き出すものがコーチングにはあります。変化の激しい時代に対応するために、第一線の社員一人ひとりが、「依存」から「自立する」ことができ、自らの「答え」を見つけ、業務と調和させることができ、自分で考え、判断し、行動できるような人財になる手助けをするのがコーチングです。
(2)「気づき」をうながすものである。
 コーチングは、「答え」を与えるものではなく、「答え」は相手がもっているという前提に立ちます。これが、「ティーチング」との違いです。
(3)コーチングは土壌創り
 コーチングは、成果が直ぐに得られる即効性のあるものではありません。むしろ、成果を得るための根幹の部分を創るものです。

 コーチングは、単にコミュニケーションの円滑化を図るためだけのものではありません。組織の土台作り、組織の変革に必要なものです。



 
「平成20年分路線価公表」と「営業権の評価」
税務会計部 二村 晃司
【平成20年分路線価】〜今年度から公表時期が早まりました〜
 平成20年度分の路線価が7月1日に全国の国税局、税務署で公表されました。昨年までは毎年8月1日に公表されていましたが、今年から国税局、各税務署に設置していた冊子の発行をやめ、ホームページでの閲覧に一本化されたため公表時期が1カ月早くなりました。過去3年分(平成18年分、平成19年分、平成20年分)の路線価がパソコンで閲覧可能です。

名古屋市内税務署の管内最高路線価           1u当たり単位:千円
所在地 H19年 H20年 前年比 H18→H19
中村区 名駅1 6,160 7,600 23.4% 33.9%
中区 栄3 5,490 6,530 18.9% 25.9%
東区 久屋町8 2,120 2,460 16.0% 29.3%
西区 牛島町 960 1,440 50.0% 47.7%
熱田区 金山1 720 960 33.3% 39.5%
千種区 今池1 540 720 33.3% 25.6%
昭和区 御器所通3 310 370 19.4% 14.8%
北区 大曽根3 265 340 28.3% 23.3%
中川区 尾頭橋2 215 230 7.0% 7.5%
※参考:「H18→H19」は平成18年から平成19年の変動率

 愛知県内の20税務署のうち最高路線価が「上昇」したのは15署で、名古屋市以外では小牧(春日井市勝川駅前広場通り24.1%増)半田(半田市知多半田南末広線通り15.4%増)、豊橋(豊橋市駅前通り7.9%増)、岡崎(岡崎市東岡崎駅前通り4.5%増)、豊田(豊田市駅前通り4.1%増)、刈谷(安城市三河安城豊田一色線通り2.9%)の6署が上昇しています。「変動無し」は3署で一宮(一宮市尾張一宮駅前通り)、尾張瀬戸(尾張旭市南本地ヶ原国道363号通り)、津島(海部郡蟹江町源氏西尾張中央道通り)。「下落」は西尾(西尾市住吉町一号線通り4.2%減)、新城(新城市能登瀬新城線通り3.3%減)の2署となっています。

【過去20年間の路線価の推移】            1u当たり単位:千円


【営業権の評価】〜営業権評価の計算式の問題点を改正〜
【従来の評価方法の主な問題点】
 
 @従来の営業権の評価方法では標準企業者報酬額が現状の経済実態に合わないものであったことから超過利益金額が過大になっていました。
 A従来は総資産価額に乗じる利率が国債の利回りを基にした基準年利率になっており、低金利の時代には超過利益金額が発生しやすくなっていました。


【主な改正点】

 @「標準企業者報酬額(企業者報酬額)」の改正
  次表の算式により計算した金額に改正されました。
平均利益金額の区分 標準企業者報酬額
1億円以下 平均利益金額×0.3+1,000万円
1億円超 3億円以下 平均利益金額×0.2+2,000万円
3億円超 5億円以下 平均利益金額×0.1+5,000万円
5億円超 平均利益金額×0.05+7,500万円
※100分の30の範囲内での加減算の取り扱いは廃止
※平均利益金額が5,000万円以下の場合は標準企業者報酬額が平均利益金額の0.5以上の金額となるので、営業権の価額(超過利益金額)は算出されません。
 A「総資産価額に乗じる利率」の改正
   企業の有する資産の運用利回り(働き)を示す利率を用いることが適当であり総資産価額に対する利益金額の割合である総資産利益率を基にした0.05(5%)に改正されました。
 B「平均利益金額」および「総資産価額」の改正
  ・平均利益金額の算定において「手形割引料」、「準備金勘定又は引当金に繰り入れた金額」を所得金額に加算しないことになりました。
  ・平均利益金額の算定における企業物価指数の調整計算は廃止されました。
  ・平均利益金額の基になる所得金額には「損金に算入された繰越欠損金の控除額」を加算した金額とすることが明確になりました。
  ・役員等から賃借している資産の総資産価額への加算および支払賃借料の所得金額への加算は廃止されました。
 C評価しない営業権の範囲の見直し
  ・前年の所得金額(著名な営業権はその3倍)を評価額の限度とし、また、超過利益金額が5万円未満の企業の営業権の価額及び平均利益金額が200万円未満の企業の営業権は評価しないことになっていましたが、これらの取り扱いは廃止されました。
  ・開業後10年未満の企業の営業権の価額は評価しないこととされていましたが、この取り扱いは廃止されました。
 D適用時期
   営業権のあらたな評価方法については平成20年1月1日以後の相続、贈与により取得した財産評価に適用されます。
   今般の改正により、非上場株式の評価(純資産価額方式)における営業権の評価方法も従来と異なることとなり、営業権の価額が過度に株式評価額に影響を及ぼすケースも少なくなると思われます。



 
優越的地位の濫用

弁護士 長谷川 留美子

 先ごろ、家電量販店のヤマダ電機が、独占禁止法違反(優越的地位の濫用)で、公正取引委員会から排除措置命令を受けました。ヤマダ電機が店の新装、改装オープンの際、商品の陳列や補充、接客などで納入業者から人を派遣させながら人件費を一切払わなかったとのことです。
 独占禁止法は、私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を防止して、一切の事業活動の不当な拘束を排除することにより、公正かつ自由な競争を促進し、最終的には、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的としています。
 同法において禁止されている不公正な取引方法の1つに、「優越的地位の濫用」があります。取引上優越した地位にある事業者がその地位を利用して相手方を抑圧し、不当に不利益な取引を強要するといった行為が横行すると、公正かつ自由な競争の基盤を侵害するおそれがあります。そこで、独占禁止法はかかる行為を優越的地位の濫用として禁止しています。
 近年の優越的地位の濫用の事例には、次のようなものがあります。
・三井住友銀行が、同行と融資取引関係にある事業者であって、取引上の地位が同行に対して劣っているものに対して、融資の手続を進める過程において、「金利スワップを購入することが融資を行うことの条件である」とか「金利スワップを購入しなければ融資に関して不利な取扱いをする」などの旨を明示又は示唆することにより、金利スワップの購入を余儀なくさせた。
・ユニーがセールに際し、取引上の地位が同社より劣っている納入業者に対し、セールに供する商品について納入業者の仕入価格を下回る価格で納入するよう一方的に指示する等して、著しく低い価格をもって納入させた。又、店舗の新規オープン時やセールに際し、その取引上の地位が同社に対して劣っている納入業者に対して商品の陳列、補充、顧客が購入した商品の袋詰め等の作業を行わせるためにその従業員を派遣させた。
・ローソンが、取引上の地位が納入業者に対して優越していることを利用して、納入業者に金銭を提供させたり、日用品雑貨を1円で納入させた。
 ところで、冒頭のヤマダ電機の件では、家電メーカーの販売子会社がヤマダ電機より取引上の地位が劣っている、つまりヤマダ電機の方が取引上の地位が優越しているとされたわけですが、「優越的地位」にあるか否かは「取引依存度」や「取引先の転換可能性」が判断基準となります。販売子会社とはいえ、大手家電メーカー側が取引上の地位が劣っているとされたことに、今さらながら量販店の力の大きさを思い知らされました。



 
給与計算実務対応セミナー

総務部 小林 睦

 去る6月26日(木)、葵リレーションホールにて『給与計算実務対応セミナー』が行われました。
先ず、葵労務管理事務所の鍵谷 辰也より第一部の説明がありました。主な内容として、給与計算事務に必要な基礎知識に始まり、手当の種類とその算出方法、所得税・住民税の控除について、保険料の計算と控除、賞与支払時における所得税と保険料の計算、従業員の入退職時の確認事項等になります。 
 参加者の方に実践して頂こうと、演習問題も準備致しました。同時に解答も参加者の方々にお配り致しました。給料計算の参考にして頂けると幸いです。
 次に潟Rスモシステムの佐藤 修より、当センターで開発し、顧問先様にもご利用頂いている給料計算ソフト『葵給与』のデモンストレーション及び簡単な操作説明がありました。複雑な計算処理を楽に行ってもらう為の機能を搭載しています。



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