平成19年3月のリース会計基準改正により、所有権移転外ファイナンス・リ−スの会計処理は、従来認められていた賃貸借処理が廃止され、売買処理(資産の購入)に一本化されました。また、平成19年度税制改正により、リース取引は原則として売買取引として取扱うものとされました。イメージとしては、分割払いで資産を購入し、毎月のリース料は未払金の返済という感じです。
今回は、主として中小企業におけるリース取引の借手の立場に立ち、所有権移転外ファイナンス・リースを中心にその会計・税務処理の概略を説明します。
<リース取引の分類>

<新リース会計基準の適用範囲>
リース会計基準が強制適用されるのは、上場会社、会社法上の大会社など会計監査が義務付けられている会社です。よって、それ以外の会社は会計基準を適用しないで「中小企業会計指針」により処理することが出来ます。
中小企業の会計に関する指針(平成20年版)より
リース取引 要点
☆所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る借手は、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行なう。ただし、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行なうことが出来る。この場合は、未経過リース料を注記する。 |
Q、所有権移転外ファイナンス・リース取引とは?
A、途中解約禁止で、かつ、リース物件の使用に伴って生じるコストを実質的に負担することを意味するフルペイアウトのリース取引をファイナンス・リースといい、このうち、リース期間終了時にリース物件の所有権が賃借人に移転しない取引です。多くのリース取引がこれに該当します。
Q、所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る借手の会計処理は?
A、所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る借手は、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行います。ただし、従来の処理である通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行なうことが出来ます。
・原則処理(売買処理)
リース取引開始日に、リース料総額でリース資産、リース債務を計上し、決算時において減価償却費を計上する。毎支払時はリース債務の減少。
・例外処理(賃貸借処理)
従来の処理(リース料として毎支払時に経費計上)。
Q、所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る借手の注記とは?
A、所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る借手は、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行なった場合には、未経過リース料を注記します。ただし、重要性がないリース取引については、注記を省略することが出来ます。
<新リース税務の適用範囲>
前述の会計処理いかんに関わらず、平成19年度税制改正により、所有権移転外ファイナンス・リース取引は原則として、売買取引として扱うものとされました。対象となる取引は‘平成20年4月1日以後に契約を締結するもの‘です。(3月31日以前に締結した契約については、従来どおり支払リース料を費用処理する賃貸借処理となります。)
○リース資産の取得価額
原則は、リース期間中に支払うべきリース料の額の合計額です。
○リース資産の減価償却方法
リース期間を償却期間とし、残存価額ゼロで、均等償却するリース期間定額法です。
* 1 10万円未満の少額減価償却資産、20万円未満の一括償却資産の適用はされません。中小企業者等
の30万円未満の少額減価償却資産の特例については適用されます。
* 2 リース税額控除が廃止され、取得の場合に適用される税額控除が適用されます。
* 3 通常の取得の場合に適用される特別償却や圧縮記帳については適用されません。
* 4 売買取引として扱うものの、所有権はリース会社にありますので、固定資産税の対象にはなりま
せん。
* 5 例外処理により、支払リース料等を賃借料等として損金経理した金額は、税務上、減価償却費
として損金経理した金額に含まれます。リース料がリース期間にわたって定額で、リース期間
定額法による減価償却限度額と同じであれば、申告調整を行なう必要もありません。
<平成20年4月1日以後契約するリース取引の消費税について>
平成20年4月1日以後契約するリース取引について、法人税または所得税の計算と同様、消費税についてもリース取引の目的となる資産の引渡し時(リース取引の開始日)に資産を譲り受けたものとして取り扱われます。
○リース開始日の属する課税期間(リース取引開始初年度)において、リース料総額に対する消費税額を仕入控除します。
○リース料を損金経理(賃貸借処理)した場合でも、同様です。
○平成20年3月31日以前に契約したリース取引については、従来どおり処理します。
(例) 事業年度 自平成20年4月1日 至平成21年3月31日
リース総額 6,300千円(内消費税 300千円)
リース期間 5年
リース締結日 平成20年4月1日
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原則処理(売買処理) |
例外処理(賃貸借処理) |
| リース開始日 |
リース資産/リース債務 6,000千円
仮払消費税/リース債務 300千円 |
仮払消費税/リース債務 300千円 |
| 毎月支払時 |
リース債務/現金・預金 105千円 |
リース料 /現金・預金 100千円
リース債務/現金・預金 5千円 |
| 決算時 |
減価償却費/リース資産 1,200千円 |
なし |
*上記処理方法、勘定科目は一例です。
実際の処理につきましては当税理士法人担当者にご確認いただきます様よろしくお願い致します。
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