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 税務・会計に関する月刊コラム
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2008年2月号 ◆NO.52
平成20年度税制改正の行方

葵総合税理士法人 丸の内事務所 公認会計士 税理士 長谷川 敏也


 目下ねじれ国会で審議が真っ最中の平成20年度税制改正法案の行方について取り上げてみました。なんと言っても衆議院参議院の与野党逆転という状況下で最大注目点は「日切れ」です。テレビ・新聞紙上をにぎわしていますので読者の皆さんの方が良くおわかりいただいているでしょうが、代表選手がガソリン1リットルあたり約25円の道路特定財源に係る暫定税率であり、実務上の大問題が交際費です。
 
 道路特定財源とは、道路整備に使途を限定した財源で、ガソリンや自動車にかかる税金で賄っています。財源確保のため長年、本来より上乗せした「暫定税率」が課され、揮発油税などの場合、上乗せ分はガソリン1リットルあたり約25円です。上乗せ分の税収は、国・地方合わせ計約2兆6千億円に上るといわれています。原油高の影響でガソリンの値上げが激しい中で、「日切れ」により、ガソリンが1リットルあたり約25円値下がりすれば朗報です。
 
 政府与党は暫定税率を10年間維持する方針ですが、民主党は抵抗の構えです。財政上の大きな税収であり、まさに時間切れになるので、おそらくは政府与党案で押し切られると思いますが、年度内にどのように決着がつくか、暮らしに深く関わるだけに目が離せません。
 
 一方、暫定税率が3月末に日切れになっても必ずしも4月1日から一斉にガソリンが値下がりするわけではありません。製油所から出荷されるときに課税されるので、店舗によって差が生じます。
 
 さてそれよりも実務上影響の大きいのは、交際費の損金算入の否認規定も日切れを迎えることです。
 
 交際費は、得意先・仕入先その他との人間関係を密にすることによって仕事を円滑に進めようというもので、会社の営業活動に欠かせない経費です。しかし、その乱用は問題であり、法人税法では原則として法人が支出した交際費等の全額が損金の額に算入されません。中小企業については、企業経営の実態を配慮して、交際費に対する課税が緩和されるよう特例により限度額が設けられています。(期末資本金が1億円以下の法人は、支出交際費のうち400万円以下の部分は10%が損金に算入されない、支出交際費の400万円を超える部分全額が損金に算入されない、という特例があります)。
 
 原則として法人が支出した交際費等の全額が損金の額に算入されない、という規定も日切れになって廃止になると、現在交際費の損金算入が認められていない大企業においても全額交際費の損金算入ができることになります。
 
 平成20年の税制改正法案が3月31日までに成立しなかった場合であっても、納税者の税負担を軽減する租税特別措置であれば4月1日以降に成立しても遡って適用ということもありますが、納税者の税負担を増加させる措置については3月31日までに成立しなければ不利益不遡及の原則により、4月1日に遡っての適用はありません。


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